得るもの
少し前に読んだ本の著者から、直接話をうかがえる機会に恵まれた。
- 作者: 李炳夏,新宅純二郎
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/08/23
- メディア: 単行本
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ここにきてやっと、日系企業も関心を持ち始めたかもしれない、韓国企業の、15年・20年前からの組織・人事に関する戦略的な取り組み。
どうしても、「使い捨て」「超実力主義」のイメージが先行しすぎて、情報を入れる前から日系企業がシャットアウトしてしまっていたかもしれない、取り組み。
少しでも多くの企業、特に人事の方(と現場のリーダー)に、読んでもらえたら。
きっと、欧米企業以上に、いまの日系企業にとって得るものがある取り組み・姿勢があるように思うので。
(アジア通貨危機を機に、それまでの日本的経営からどのように舵をきったのか。そこで人事が、どのようにな役割を果たしたのか。)
私自身の一番の発見としては。
いまでは5000名近くが育っているともいわれる地域専門家制度が、サムスンですらスタート時はトップが言い続けて言い続けてやっと、実現に至ったという事実。
いまでこそ、日系企業がこぞって似たような制度を導入しようとしてるけど、本当にその本質と目的を理解してないと、ただの流行りに乗っただけの、ナンチャッテプログラムになってしまう気がする。
あと、「日本企業と変わらない」という言葉と同時に、李さんが発した「先進国(日本も含め)の人は自分たちよりも後進の国からきた駐在員の話を聞こうとしない」という言葉に、いろんな意味で、とても残念な気持ちになった。
欧米系企業とは違うから、韓国企業とは違うから、IT系企業とは違うから、ムリ。おわり。
じゃなくて。
(思考停止するのは、カンタン。)
違うからこそ、得るものがある。
そういう謙虚でオープンな姿勢(感性?)が、いまとても必要な気がする。
人事にも、組織・人事を扱うコンサルタントにも。
※本を読んですぐに韓国まで著者に会いに行って、日系企業と自社社員に直接話をしていただくきっかけをつくってくれたコンサルタントの、感性とフットワークと想いに、感謝。