大胆かつ繊細??

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン、読みました。

伊坂幸太郎さんの本を読んだのは、これがはじめて。
「重力ピエロ」と「アヒルと鴨のコインロッカー」は、それぞれ映画館とDVDで。

すごく繊細でもあり、大胆でもある方。なのかしら。
そんな、印象。お会いしてみたいなぁ…。なんで、こんな小説が、書けるのか。すごく知りたい。

視点が、好き。すごく、やさしい。きっと、うわべじゃないところの、本質的でとても深い、やさしさ。

それはきっと、「重力ピエロ」の父や「チルドレン」の陣内にも、通じるもの。表現の仕方が、ちがうだけ。きっと。
そんな気が、すごくしました。

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実は、小説読みながら、初めて付箋を貼ってしまった…。だって、とってもステキなコトバが、ちりばめられてたから。思わず。

◎陣内

「少年と向かい合うのに、心理学も社会学もないっつうの。あいつらは統計じゃないし、数学でも化学式でもない。だろ?………調査官は、担当する少年が、『他の誰にも似ていない、世界で一人きりの奴』だと思って、向かい合わないと駄目なんだよ」

「少年ってのは一種類じゃないっつうの」

「俺たちは奇跡をやってみせるってわけだ。ところで、あんたたちの仕事では、奇跡は起こせるのか?」

「そもそも、大人が格好良ければ、子供はぐれねえんだよ」


◎武藤

(「調査官って何なの?」)「君たちの話を聞いてあげる人」

(「話を聞くだけで解決するかなあ」)「話を聞いてもらえないで、苦しんでいる子は多いんだ」

(「親の愛情の問題ってこと?」)「世の中にいい親なんていないよ。でも親に影響を受けない子供もいないんじゃないかな」

メッセージ性が高いんやけど、それがすっと、入ってくる。世代のちかさも、あるんかな。育った環境かな。なんやろ、気になる…。
きっと、「人」にかかわる仕事をずっとしてきて、あと、自分自身を振りかえってみて、育った環境とその人の本質が切っても切りはなせないもんやと、実感(痛感)してるからかも。

ほかにもさっそく、読んでみよ。伊坂フリークのみなさま、オススメあればぜひ教えて♪

☆それにしても、ドラマ版の主演:陣内役が坂口憲二ってのは、どーーーも、いただけへん。ちがう、ちがうねんなぁー。