よりよく

RIAMのワークショップ、「組織変革、組織開発、意識改革」に参加してきました。

▼RIAM 第74回ワークショップ 「組織変革、組織開発、意識改革」
組織変革、組織開発、意識改革 | NPO法人 現代経営学研究所(RIAM )

パネリストの一人、柴田昌治さん(株式会社スコラ コンサルト 代表)に直接お会いできる機会ということで、無理やりなんとか予定を調整して。


柴田さんの著書をはじめて読んだのは、社会人になりたてのころ。
不況のさなかに人材業界で経営層や人事向け営業をしていた当時、外からの提案でできることになんとなく限界を感じていたタイミングで、小説仕立てで臨場感あふれる内容が、とても印象に残ってます。
(なので、いまこうやって事業会社の人事という逆の立場にたってみて、違った視界がうきぼりになってくるのよね。)

しかも今回は、本の題材にもなった会社の人事部長(当時)と社長(当時)もパネリストとして登場。
実際の組織変革の舞台裏を、3者の立場からうかがうことができ、とても興味深い内容でした。


組織変革は、ひとりじゃできない。
いろんな立場のいろんな人の、感情もうごめく。
社内のキーマンとコンサルタントが信頼しあって、本気で「なんとしても変えていきたい気持ち」を共有していたからこそ、社長ほかの多くの人を動かす力になったんだろうなぁ。


以下、とくに印象深かったキーワードを。

●「2:6:2の法則」
  2割が動けば6割はついてくる。
  ←本当に核になる人は全体の4・5%。この人たちが動くと2割が動く。


●「コア・ネットワーク」
  「社員が会社を変えていく」という、方法論のパラダイム転換。
  「なんとかいい会社にしたい!」と思う人は社内にたくさんいる。
  →数%の人間がどこにいるかはわからない。それをネットワークしていく。


●「オフサイトミーティング」
  「気楽にまじめな話をする場」で、深く考えぬく習慣を身につける。
  →「事実(不都合な現実)」をみんなで直視して問題を共有化したら、
    やる人はやる!


●「風土改革とは…」
  当たり前のことを当たり前に考えたり行動したりできる環境をつくる。
  →考える習慣を会社の中にもたらし、自律的な人間を育てる。
   =自分自身を経営できる人を増やす。

それと、もうひとつ。
稲生元社長がさいごにおっしゃったこと。

「みなさんに勘違いしてほしくないのは、われわれは会社存亡の危機に立たされたという事実。
みなさんには、そうなってからではなくて、いまの状態から会社を”よりよく”するために、今日の話が少しでも参考になればと思います。」


ほんとうに、そのとおりだと思う。
でも、それが組織風土としてできている会社は、残念ながらとても少ない気がする。
”よりよく”という発想を、社員のひとりひとりが持ち続けることの難しさも…。


それにあらためて気づかせていただいた、ひとことでした。