立場をかえて

所属していたところをはなれるときの反応って、「人」とのかかわりを考えるにはとても興味深い。
離れるほうも、離れられるほうも、人となりがでるっていうか、ほんとうのお互いの関係性が浮きぼりになるっていうか。

わたし自身、引き際はいいほうっていうか、切り替えはだいぶ早いほうやとおもうけど、今回はちょっと事情がちがう気がする…。

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6月中旬に、「退職のご挨拶」メールを、社内外のかかわりをもった方たちに送りました。
で、この半月(と、あと半月くらいはたぶん)はずっと、ランチだ飲みだと理由をつけて、いろんな話(いままで話してなかったこともふくめて)をする機会を、いただいてる(ていうか、ほとんど飲めへんのやけど。)。あと、直接あえない方からは、メールでのご連絡も。これってほんとうに、ありがたい。


いまの会社はメーカーで離職者も少ないので、いってみれば3年間(のうち一部)っていうと、その人の社会人生活のなかではほんの一部でしかないわけで。
なのに、仕事のあいまをぬって、こうやって一人の通りがかりの人間のために時間(と気持ち)をとろうとしていただいてることが、なんていうか、「ほんとに、大したことなにもしてないですから…。」って、イイワケしたくなるくらい、とまどいが大きい。


でもそれくらい、やっぱりわたしが思っている以上に、現場はもっともっとタイヘンってことなんよね。きっと。

キャリア入社した人たちの心の拠り所のひとつにでもなってたんだとしたら、うれしいと同時に、もっとやれることはなかったんやろかと、今さらながらに思ってしまう。(っていっても、いただいた時間のなかでは、やれるだけのことはやったんやろうけど。)

それと、部門の部課長さんたちから仕事のパートナーとしてわたし個人を認めてもらってたんだとしたら、それはもちろん、とてもうれしいことで。

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今回、あらためて認識しなおしたこと。

「人事」は、自分たちが思ってる以上にまわりから(心理的)距離を置かれる部門。


個人的には、「人事として」というより「わたし自身もキャリア入社した一個人として(人事の立場を活用して)」各部門やキャリア入社の人たちと接していたものの、退職する(社外の人になる)となってはじめて、よりつっこんだ相談が何件か舞い込んできた。

そんなもんなのかも、しれない。
で、それでいいとも思う。


人事とキャリアカウンセリングやメンタルヘルスの部門を切り離した組織(内容によってはアウトソーシング)にしている会社が出てくるのは、まさに、相談する側の気持ちに配慮してのことなんよね。
わたし自身は人事といっても評価にはノータッチだった(知識も経験もないし)けど、それでもやっぱり相談する側からしたら、踏み込めないなにかがあって当然なんやと思う。


だから。

社内の事情をある程度しってる社外の(利害関係まったくない)話し相手として、年齢やポジションをとっぱらって今後は付き合えるっていうのは、わたしにとってもうれしいこと。
会社をはなれてからも(いままで以上に)それぞれの人たちといいかかわり合いをもてることが、いまから楽しみだったりする。

わたし自身、いろんな経験・立場の方(かってに一方的にメンターと慕ってる方)の支えで、いまがあると思うので。