「人事」の役割って
なぜ、この会社は変われるのか?―ライオン(株)に学ぶ「社員の育て方」「組織の活かし方」
- 作者: 今井秀之,芝孝史,小窪久文
- 出版社/メーカー: 大和出版
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
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日本型成果主義の実現を、ライオンでの10年にわたる導入事例を元に、当時の人事課長とコンサルタントの立場から解説してる本。
どうも、こういうリアルな話は、登場人物それぞれに感情移入しすぎてどっとつかれる。リアルなだけに、思わず涙をこらえてる自分がいるのに気づいて、ハッと我にかえるっていうか。(これって、ヘン?)
人事って、経営とは切っても切り離せない存在なんだということを、あらためて痛感…。
感傷だけじゃダメ、でも一方で、現場とキョリがありすぎてもダメ。
特に、新制度導入なんかの改革の場面では、客観的な視点を持ちつつ改革を推し進める、バランス感覚が必要なんやろうな。
そのためにも、コンサルタントという(ときには悪役にもなれる)第三者の視点を借りることが、場合によっては必要になってくるんやろうな。
改革には、痛みがつきものだし。その先の成果をつかみとるまでの、いろんな葛藤があるわけで。
全体をとおして伝わってきたのは、著者(当時の人事課長)と人事部員の、「社員を育てたい」「組織を活かしたい」というホンキの意気込み。
その気迫が、経営層にもコンサルタントにも一人一人の社員にも、ちゃんと伝わってたんやろうな。
(逆に、制度だけ導入して終わってたら、すごく片手落ち、むしろ逆効果にさえなるんやろうな。)
あらためて、「組織」も「制度」も、生き物なんだってことを感じた。
「人」が息を吹きこんで、手を加え続けて、はじめて活性化につながる。
そのための「人事」の役割は、想像以上に大きい。
(でも、その役割を果たせてると言い切れる人事が、どれくらいいるんやろう。)
一筋縄にはいかないからこそ、ムズカシいけどオモシロいんやろうな。きっと。
うーーーん、奥が深い…。
この本のタイトル、「なぜこの会社は変われるのか?」。
この答えは、人事の流した「汗」なんじゃないかなぁって、思った。
あ、それと。
著者3名それぞれの、あとがきがオモシロかった。
プロ意識を持った者同士の、せめぎあい。相乗効果で、いい結果を生み出したんだろうなと思える、パートナーシップが見て取れる。いい仕事してるな〜っていったら、すごく上から目線やけど、やっぱり、自分もこうありたいなって、あらためて思えるコメントでした。
※グローバルに捉えた人事制度は、もっともっと話が複雑化するやんね。この話も、いつか聞いてみたいなぁ。