ロイヤリティと閉塞感の間
ここさいきん、つづけて外資メーカーの日本法人社員向け研修をオブザーブしてました。
どうしても気持ち的に、ついつい日系メーカー(とくにグローバル化や組織風土に課題を感じている会社)を応援しがちなところを、ちがった角度から組織を考えるいいきっかけになりました。
結論。
●リーダーシップ開発はマネジメント層だけに必要なんじゃない。
→ むしろ、マネジメントの立場にない人たちが、いかにマネジメントの立場に
立って組織や人を考えて、リーダーシップを発揮できるか(まわりを巻き
こめるか)。
●部門横断の研修やワークショップなどの「場」づくりそのものが不足してると痛感。
→ 組織風土は目に見えにくく、とくに現場から離れた立場だとなおさらだと
感じる。日々の業務に追われたり責任の所在がはっきりしないため、うやむや
なまま後回しになっていることが多い気がする。
組織風土の状態をを可視化して、それぞれの立場でなにができるかを考える
きっかけづくりが必要。
どうしようもなくなってからの対処療法じゃなく、予防として。
●組織風土改革をファシリテートするには、エモーショナルなところで受講生が
ファシリテーターに対して、共感を覚える働きかけができるかどうかが鍵。
それと、主催者(経営層や人事・人材開発担当)が研修にかける想いと目的を、
研修の最初の時点で伝えられるか。
→ 建前じゃない、本音の対話を受講者同士からどこまで引き出せるか。
結局、日系も外資も関係なく、みんな現場でがんばってるのをどこまで応援できるのか。
痛みをともなう改革ならなおさら、外部の立場だからこそできることもあるハズ。
そんなことを、あらためて思った。
一方で。
日系(特に「古きよき」メーカー等)と外資系の一番のちがいは、やっぱりよくも悪くも、終身雇用に裏打ちされた会社へのロイヤリティ(帰属意識)のような気がする。
リストラや経営の不祥事があったような会社でも、経営理念や商品に愛着をもっている社員は多いだろうし。
でも、いまはそれ以上に、社内に蔓延する閉塞感に、気持ちがつぶれそうになったり、諦めの境地に至ったり、他者や経営層を攻撃する気持ちが勝ってしまったり、する現場も多いのかもしれない…。
●どうして、自分はこの会社で働き続けるのか。
●自分にできることは、なんなのか。
●会社に提言したいことは、なんなのか。
そんなことを、お互いに考えて話し合える「場」づくりを仕掛けたいなと、いま思ってます。
って、結局、前職でやってたことと、考えてることは一緒なんよね。(でも、もっともっと、いろんな意味で危機的状況の会社は、世の中にはたくさんあるんやと思うと、とてもつらい気持ちになる。)
☆もちろん、リーダーシップやマネジメントの型を知ることも一方でダイジで。自分の所属している組織を客観的に(ひとつ上の立場から)見る視点もダイジで。
閉塞感への具体的な経営の解決策がグローバル化なら、それに対応した人と組織づくりはもっとダイジで。
☆あ、それと。
私がいまの会社でアドバンテージをもてるとしたら、そういう現場の感情を自分ごととして感じ取れることなんじゃないかと、さいきん思う。「サーベイや制度改革や研修をやっておわり」とかじゃなく、ゴールはやっぱり、会社も個人も前を向いて走れるところまで、持っていきたいし。