アウトローっていわせない

「ぼくはアウトローだから」

そういわれて、ハッとした。
ああそうか、私はなんで、この人と仕事をしたいなと思ったのか。
人材開発の担当として、人を育てたり会社を良くすることに、熱心で率直な方だなという印象は持ってたんやけど。

それだけじゃない、人事としてのアウトロー(=現場経験が長い、人事たたき上げじゃない)という環境で、やりにくさや自分自身の不足感を感じながらも、内側からの想いで「よりよく」しようとされてることに、無意識に共感してたんかもしれないなーと。

別の方はそういえば、こう言ってた。

「私は人事も人材開発もシロウトですから。戦略も、経企が考えること。」

っていいながら、やっぱり黙ってじっとしてられないから、社外のセミナーに参加したり時間を作って話をしようとしていただいてるのが分かる。
だから、こっちもなんとか役に立てないものかと考える。

人事・人材開発担当としての専門性の高さや経験の長さでは、きっと、同じ社内の他の大半の方に軍配があがる。けど、現場の経験からくる「じっとしてられない」想いは、きっと、同じ社内の他のだれよりも、強く持ってるんかもしれないなぁと。

多少、時間がかかったとしても、こういう方たちの想いを形にしていくために、きっと一緒にやりたいんやなって思う。わたし自身が、人事としての自分の立場に、力不足感を感じてたから、よけいに。


今日のフォーラムで、日立製作所の理事、山口さんがなんども「チェンジ・エージェント」と仰っていたのが、耳に残った。
http://www.b-forum.net/event/jp330b_1.php

これだけの超大企業で、「100年も続いた人事の役割を根本から変える」ことにチャレンジするのを「機会」と捉えられるのは、強力な会長・社長のトップダウンという後ろ盾があるからとも。
もちろん、山口さんご自身の強いリーダーシップと人事でのご経験の積み重ねもあるんやろうけど。


でも、そこまでハッキリしたトップダウンの意志がない場合に、現場を変えていく力が、「よりよく」しようと思う個人の想いの場合…。
それがもし人事・人材開発の経験や知識としての裏付けじゃなく、現場感覚からくる想いだとしたら、「アウトロー」だとか「シロウト」だとかを理由に人事・人材開発という組織のなかで陽の目を見ない(見にくい)ことがあるとしたら、それはとてもモッタイナイ気がする。会社にとっても、本人にとっても。


グローバル化を考えるときに、ダイバーシティが切っても切れない発想だとしたら、やっぱりこれも、人事部門やダイバーシティ推進部門から取り入れてほしいなって思う。特に、日系企業
ダイバーシティっていえばどうしてもジェンダーからスタートする会社が多いけど。
個人的には、違ったバックボーンからくる価値観の多様性を、もっともっと推進するほうが先な気がする。
同じ会社でも、他部門の経験者だったり、キャリア入社者だったり、ちがった国籍だったり。もちろん、人事のバックボーンのみでも、広い視点から新しい価値観を積極的に取り入れようとする人含め。

アウトローだから」って、いわせない(いう必要がない)状態を作って、その人を中心に変革の波を大きくする。そんなことを、いまやっていきたいなって、静かに思う。