ほぐす

ほんとうに、ありがたいタイミングでありがたいお誘いをいただけることがありがたい。
(うーん、なんか、すごい分かりにくい表現よね…。)

自分を立てなおす対話

自分を立てなおす対話

少し前に別の方から読書会のお誘いをいただいたときは、きっとタイミングじゃなかったのよね。いま思うと。なんとなく。

今回たまたま「智慧の車座」体験会のお誘いをいただいたときも、最初は「いまは個人のキャリア開発よりも組織開発にキョーミがシフトしてるしなー。」と思ってたんですが。
どうも気になって、とりあえずAmazonで本を買って読んでみたら、やっぱり組織のあり方と密接に絡んでるテーマだなと思いなおし。
むしろ、個人の「モチベーションUP研修」だけをやっても組織が変わらなかったら片手落ちと感じてたところに、「問題をほぐす」という視点がミョーにハマったというか、現場で「問題をほぐせなかった」経験を持つ著者の加藤さんだからこその目線が、現場でのリアルな対処方法としてしっくりきたんでした。
先の見えない時代に、個人が組織の中でしなやかに生き延びるための、セーフティネットになるっていうか。

あ、前置きがずいぶんと長くなってしまった。

  • -

正直、プログラムの「7つの対話のステップ」を見たときに思ったのは、「アクション・ラーニング」と「リーダーズ・インテグレーション」をつまみ食いしたような印象を受けてました。
でもやってみて、目的もアプローチする観点もぜんぜんちがうということを、ハッキリと実感。

「アクション・ラーニング」は、どっちかというとダイナミックな組織変革などの問題解決に、「リーダーズ・インテグレーション」は、リーダーとメンバーの関係性構築に。
ダイナミックな組織変革 - hirosuga1005の日記
「利き手」の発想と関係性 - hirosuga1005の日記
智慧の車座」は、問題を「解決」するんじゃなく、解決できない(と思ってる)問題を、「ほぐす」ことが目的なんだなと。支援者の智慧を借りることで。

それが、今回2回に分けて体験してみて丁寧に振り返ることで、浮き彫りになって見えてきた。

テーマ・オーナーが「問題を語り直す」作業は、(より本質的な問題に置き換える「アクション・ラーニング」とちがって、)問題そのものに対する見方を変える作業なんだということ。
テーマ・オーナーが「輪の外に抜ける(背中を向ける)」作業は、(よりメンバーのホンネを引き出すためにリーダーに席を外してもらう「リーダーズ・インテグレーション」とちがって、)自分の抱えてる問題をいったん人に預ける作業なんだということ。
MCがブレストのときに「もっと無責任に!」と働きかけるのは、問題そのものを「ネタ」として支援者が代わりに「笑い飛ばす」ことで、テーマ・オーナーの気持ちをラクにする効用があるかもしれないこと。

などなど。

それにしても。
専門家がかかわらなくても現場で取り入れやすいようにという加藤さんの想いが、とても伝わってくるプログラム内容だなと、体験してみてあらためて思いました。
現場で取り入れやすいという点だと、ワールド・カフェ形式で近い立場の人同士が聴き合うのも同じような効果があるんやろうけど…。きちんとステップを踏むことで、35分という短い時間に凝縮されたなかでの効果がきちんとでてくるんだろうなと、終わってみて思いました。
「ありたい姿」から考える - hirosuga1005の日記

加藤さん、ぜひ一度お会いしてお人柄にふれてみたいなあ。