人事部の役割ふたたび
この1ヶ月ほど、フォーラムに参加いただいた企業の方と、話をする機会が続いてます。
http://www.b-forum.net/event/2012/jp330.html
今後もさらに突っ込んだ話が見えてくるんやろうけど、いま感じてることを備忘録がわりにメモメモ。
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一番思ったのは、基調講演以外は各社の事例紹介がメインのプログラムというのもあってか、主催セミナーとはまた異なった顔ぶれと参加目的やということ。
とくに、人事以外の、経営層、経営企画、グローバル●●、事業部企画(人事)などの上位ポジションの方の参加が目立ったことは、いまの潮流を表してるんかも。
◇「グローバル(or 海外 or 国際)●●」という地域横断の部門をココ1・2年で新設してる企業が増えてる?
◇グローバルな組織・人事の問題を担当する部署が、人事から経営企画やグローバル●●の部門に移行してる?
(経営戦略 ≒ 人事戦略と捉える or 人事からグローバル戦略の根幹業務を切り離す企業が増えてる?)
◇取引先メーカーのグローバル化に伴い、戦略とは別にグローバル化を余儀なくされている企業が増えてる?
(その場合、グローバル化対策の課題優先順位が未整理段階の企業が多い?)
◇フォーラム参加企業の多くはグローバル化の 1)情報収集 2)課題整理 段階で、 3)優先課題への具体策を進める 段階までこぎつけてない?
だとすると…。
日系企業がグローバル化を進める際に、人事部門のグローバル化の遅れ&戦略部門としての機能不足が会社全体のボトルネックになっているケースが少なくないとは、前から感じてたけど。
だからって、地域・部門を横串で刺せる新設部門をつくってすぐに、そこがサクサク動き出せるハズもなく。
方向性は見えてても、具体的な戦略まで落とし込むところまでたどり着いてなくて、人事との連携や業務の棲み分けを模索してる段階。ってのが、ほとんどな気がする。
(ココにコンサル会社の存在意義があるって言ってしまうと簡単なんやけど、それだけじゃやっぱり片手落ちな気がしてて。)
でも間違いなくいえるのは、そういう新設部門の人と話してて感じるのは、ビジネスの現場を知ってるからこその危機感と課題意識を強く持ってるってこと。コレって、逆に方法論さえ分かってしまえば、本当の意味でのグローバル化を推し進めるためのドライブになるんやろなってこと。
その一方で、個人的にはやっぱり、人事部門にグローバルで戦略的なHR機能としての本部に、はやく脱皮してもらいたいって気持ちになる。(それくらい、社内での人事部門の役割が、いまものすごい勢いで変革を求められてるんやと思うから。)
そうなってはじめて、社内を地域・事業横串で指す他部門や経営層とも本当の連携が取れるんやろうし、社外の専門家とも有機的な関わりができるんやろうし。
そのためにも、ビジネスの現場に人事部門がいままで以上に踏み込む必要が、あるんやろうな。それと、質のいい外との接点と。
もっとストレッチするために
うれしい提案をいただいた。
わたし自身の、今後について。
目の前のオモシロそうなことにアレコレ手を出してたら、入社当初に(自分もまわりも)想定してた動きをだいぶはみ出していて、さらにそれを加速しようとしてる。気がついたら、いまちょうど、入社半年。
っていうのは、わたし自身の行動パターンとまわりの環境としてはたぶん、いままでもあったハンイのこと。
これだけでも、ありがたい話。
でもいま、とてもうれしいのは、さらに引き上げようと引っ張ってくれる人がいるということ。
それが、ユニットの枠を超えて、上の方から、私が行きたい方向に、いまのタイミングで、私が思っていた以上のスピードで。
業界未経験で、いまの年齢から、どこまで自分が通用するもんなのか、正直半信半疑でいたのを。
「ポテンシャル」に手をかけようとしていただける気持ちだけでも、うれしい。
今回の転職は、「ストレッチ」がテーマだと、前にブログに書いた。
ストレッチする - hirosuga1005の日記
で、この半年は、たぶん私の中ではまだまだ「ストレッチ」状態じゃないんやろなと、自分でも思う。楽しみながら、得意分野の応用をやってるだけやから。(たまたま、経験とキャラの希少価値で面白がられてるハンイやと思うから。)
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なんとなく、Wikipediaで、ストレッチを検索してみる。 ←MBA用語じゃなく
■ストレッチ
スポーツや医療の分野において、体のある筋肉を良好な状態にする目的でその筋肉を引っ張って伸ばすことをいう。 筋肉の柔軟性を高め関節可動域を広げるほか、いろいろなメリットをもたらす。
なお、ここでいう筋肉とは骨格筋のことである。
ふむふむ、「筋肉」を「アタマの筋肉」に置きかえても、通じるなー。
■実施にあたっての注意
◇無理をしない
◇温まった状態で行う
◇リラックスして行う
◇怪我をしたときは行わない
おー、コレは、ナルホドたしかに。てことは、やっぱり「いま」やわ。
あと思ったのは、一人でやるストレッチより、二人一組でやるストレッチのほうが、だんぜん効果が上がるってこと。
筋肉を伸ばすのも、向こうから状態をみながら適度な力で引っ張ってくれるほうが、いい。
きっと、いまがそういう状態。
気持よく走ってるのを見て、さらに速く走れるように、伴走しながらアドバイスをもらえる。
あとは、どこまで自分がいけるのか。
ハードルはきっとあちこちに転がってるけど、それも含めて楽しもう。
人事部の役割
■人事とは経営であり、人事戦略はビジネス戦略のひとつとして機能する。
■すべての企業が異なるビジネス戦略を持つように、その人事戦略もまた異なる。
■あらゆる人事戦略/制度/施策には狙いと目的と理由がある。
http://www.jshrm.org/event_3364.html
JSHRMに入会してみてすぐ、HR Cafeというのがあったので試しに参加。
その冒頭のメッセージが、とてもいいなと思ったので。
とっても、勉強になった。
なにより、HRビジネスパートナーとしての、視点と立ち位置が。
それと、シンプルでわかりやすいメッセージと、場をファシリテートするあり方と。
人事部の役割が変わってきているという話はよく言われるけど、これだけシンプルにドラスティックに定義してメッセージを発信できてる企業って、どれだけあるんやろ。
社内で蓄積されるべき能力、情報、ノウハウは何か?
社外のプロ(コンサル等)、業務アウトソース、社内の非正規社員には渡せない、何か。
ユニーク×ムズカシイ領域の業務。
汎用でもなく、ヤサシくもない領域。
たとえば…、
・Strategy Architect
・Leadership Development
・Talent Management
・Organization Development
・Culture Stewardship
・And…
「日系企業の人事部とは、そもそも立ち位置が違う」って、参加者のひとりが発言された。
たしかに。でも…。
うーん、ダイジョウブか?それで。世の中の変化のスピードに、飲み込まれない?
「HRビジネスパートナー」=「リーダーが目標を達成するためのパートナー」って目線が、なくてほんとにダイジョウブ?タレントマネジメントへの、意識付けは?必要ない??
個人的には、「差別化」の話と、GEのジャック・ウェルチの言葉に、ナットク。
■経営資源の集中的かつ効果的な配分を実現 ←差別化とは人事評価だけではない
■異常値(超優秀者)にストレッチを掛け続ける ←『ハイ・フライヤー』著:モーガン・マッコール
■「Lowバリュー×High業績の人を退職に追い込むことが最大のミッション」
「Highバリュー×Low業績の人にはGive Second Chance」 ←業績が出ない理由はいろいろある
きっと、これって企業だけじゃなく組織全般にもいえることなんやと思う。
組織が持続可能であり続けるための、仕組みとして。
感傷的に「非情」かどうかって話じゃなく。
そういう強くてブレない軸が、経営トップだけじゃなくて人事にも必要なんやろうなって、思うこのごろ。
※『成功する経営リーダーチーム』の「錯乱分子」に関する明記が目にとまった。こういうの、性善説の人(私含む多くの人)にとって、一番ムズカシイ判断のひとつなんかも…。
- 作者: ルースワーグマン,ジェイムズ・A.バラス,J.リチャードハックマン,デボラ・A.ニューンズ,Ruth Wageman,J.Richard Hackman,James A. Burruss,Debra A. Nunes,ヘイグループ
- 出版社/メーカー: 生産性出版
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■最も危険なタイプの錯乱分子は、表では計画に賛同するふりをしながら、実際には裏でそれを妨害する行動を取る人である。(P.138)
■錯乱分子は技術的にスキルがないわけではない。実際、彼らを経営リーダーチームから除くのが適切だと判断しにくくしているのはそのテクニカルな能力である。(P.140)
■錯乱分子の着目すべきいくつかの兆候(P.141)
・しばしば人前で他者について不満を言い、批判する。
・他のメンバーたちの短所を引き出す。
・問題を批判するのではなく、人を攻撃する。
・会議室の中で意見を言わず、廊下に出てからあれこれ言う。
・誰にでも、何にでも、反対してばかりいる。
・表の言葉と裏の行動の間にいつも矛盾がある。
・自分の行動を理解しているというが、それを変えることができないように思われる。
切り取る、思い起こす、重ねる
「写真って、想いを重ねるコミュニケーションツールだ!」
そう書きながらしんみりして、それを伝えながら思わず涙ぐんでしまった。。
ひさびさに参加したFAJ東京の定例会。申し込もうと思ったら全テーマすでに定員オーバーで、追加募集があったときも「もういっか。」と放置してたんを、思いなおして「写真ファシリテーション」の最後の1枠に申し込み。
うん、参加して、よかった。(あとで、「すがちゃんのために残ってたんよ、きっと。」っていわれ、自分でも、そうやわ〜って思う。)
ワークの終盤ちかくに、ファシリテーターのラッキーさんがなにげなくいったひとこと。
「写真を通じて、横に並んでみる。」
ほかの参加者は、気にも止めなかったり、言ったことさえきづかなかったりするくらい、さらっと流れたひとこと。
その瞬間に、撮った写真をTVの大画面でスライドショーにしながらうれしそうに説明する父親の姿が、目に浮かんだ。
ああ、ほんまに。そのとおりやわ。
父親とは、数年前まで会話らしい会話をした記憶がない。
わたしが離婚するんをきっかけに、両親とも姉弟とも、やっと(ていうか、それまでの長い長い空白を埋めるいきおいで)話をし始めたんが、数年前。
そのときに、姉弟とはじめて一緒に、母の日&父の日に旅行とセットでプレゼントしたんが、デジカメ。
「カメラなんかいらん。」とか言ってたのに、さっそく「練習」って言って近所の散歩にもデジカメを持ち歩きはじめてから数年、その習慣はいまも続いてるみたい。
もしかしたら、撮ることが目的なんじゃなくて、撮った写真を見せるんが目的なんかもしれへんなぁ。って、ふと思う。
さいきん、父親も母親も、こんなにおしゃべりやったかしら?って思う。
どっちかっていうと、自分のことは話さない(お互いのことをよく知らない)時期が、うんと長かったから。
それが、父親が写真(キョーミない人が見たら、かわりばえのしない草木や花の写真がてんこもり)を見せてるときは、びっくりするくらい饒舌で、うれしそうなんに、気づいた。いまさら。
写真って、すごい。。
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今回のテーマ、「家、または家の周辺にある『気になったもの』の写真」3枚を持参するって課題。
わたしが用意したのは、コレ⇣。iPhoneに雑多に撮りたまったのんから、あらためて気持ちがうごいた日常の写真。
1)駅に向かう途中に見上げて撮った満開の桜
2)友人に連れて行ってもらったカレー屋さんのカレー
3)友人の赤ちゃんの大泣き
写ってる内容も時期もバラバラやけど、ていねいにワークの質問に答えていくうちに、自分が大切にしているものがひとつのストーリーになって浮かび上がってくる。
わたしの場合、それは「人」もしくは「人とのつながり」なんやってこと。
その瞬間の感情を切り取って残しておきたくて。これって、わたしがブログを書く目的と、ちょっと似てる。
でも、質問されることで、自分でも気づいてなかった感情の動き(=同時に過去の感情を思い起こしてる)に気づかされた。
さらに、その感情を表現するコトバに、とても繊細になってる自分にも。
写真って、すごいなぁ。。
きっと、これからもわたし自身は、カメラそのものを持ち歩くことはないんやろうなって、なんとなく思う。iPhoneで、じゅうぶん。iPhoneの手軽さが、いい。
構図とか光の加減とかよりも、その瞬間を逃さないことのほうが、ダイジやから。それと、その気持ちをだれかと共有することと。
アウトローっていわせない
「ぼくはアウトローだから」
そういわれて、ハッとした。
ああそうか、私はなんで、この人と仕事をしたいなと思ったのか。
人材開発の担当として、人を育てたり会社を良くすることに、熱心で率直な方だなという印象は持ってたんやけど。
それだけじゃない、人事としてのアウトロー(=現場経験が長い、人事たたき上げじゃない)という環境で、やりにくさや自分自身の不足感を感じながらも、内側からの想いで「よりよく」しようとされてることに、無意識に共感してたんかもしれないなーと。
別の方はそういえば、こう言ってた。
「私は人事も人材開発もシロウトですから。戦略も、経企が考えること。」
っていいながら、やっぱり黙ってじっとしてられないから、社外のセミナーに参加したり時間を作って話をしようとしていただいてるのが分かる。
だから、こっちもなんとか役に立てないものかと考える。
人事・人材開発担当としての専門性の高さや経験の長さでは、きっと、同じ社内の他の大半の方に軍配があがる。けど、現場の経験からくる「じっとしてられない」想いは、きっと、同じ社内の他のだれよりも、強く持ってるんかもしれないなぁと。
多少、時間がかかったとしても、こういう方たちの想いを形にしていくために、きっと一緒にやりたいんやなって思う。わたし自身が、人事としての自分の立場に、力不足感を感じてたから、よけいに。
今日のフォーラムで、日立製作所の理事、山口さんがなんども「チェンジ・エージェント」と仰っていたのが、耳に残った。
http://www.b-forum.net/event/jp330b_1.php
これだけの超大企業で、「100年も続いた人事の役割を根本から変える」ことにチャレンジするのを「機会」と捉えられるのは、強力な会長・社長のトップダウンという後ろ盾があるからとも。
もちろん、山口さんご自身の強いリーダーシップと人事でのご経験の積み重ねもあるんやろうけど。
でも、そこまでハッキリしたトップダウンの意志がない場合に、現場を変えていく力が、「よりよく」しようと思う個人の想いの場合…。
それがもし人事・人材開発の経験や知識としての裏付けじゃなく、現場感覚からくる想いだとしたら、「アウトロー」だとか「シロウト」だとかを理由に人事・人材開発という組織のなかで陽の目を見ない(見にくい)ことがあるとしたら、それはとてもモッタイナイ気がする。会社にとっても、本人にとっても。
グローバル化を考えるときに、ダイバーシティが切っても切れない発想だとしたら、やっぱりこれも、人事部門やダイバーシティ推進部門から取り入れてほしいなって思う。特に、日系企業。
ダイバーシティっていえばどうしてもジェンダーからスタートする会社が多いけど。
個人的には、違ったバックボーンからくる価値観の多様性を、もっともっと推進するほうが先な気がする。
同じ会社でも、他部門の経験者だったり、キャリア入社者だったり、ちがった国籍だったり。もちろん、人事のバックボーンのみでも、広い視点から新しい価値観を積極的に取り入れようとする人含め。
「アウトローだから」って、いわせない(いう必要がない)状態を作って、その人を中心に変革の波を大きくする。そんなことを、いまやっていきたいなって、静かに思う。
役に立ててる?
ここさいきん、社内のいろんな部署の人と一緒に、あちこちの企業を訪問する機会がふえてます。で、そのあとに言われるコトバ。
相手の、役に立てたかどうか。
私の、役に立てたかどうか。
もっというと、自分と会う(時間をつくる)ことで、先方がどんな価値を見出していただけたのか。
コンサルタントという立場上、課題解決できてはじめて存在意義があるといったらそれまでなんやけど。
それが、挨拶程度の訪問目的やとしても。
それが、社内の人間に対してやとしても。
わたし自身、目の前の困ってる人や組織の課題を解決したいっていう発想は、社会人になってからずっと持ってる(むしろ強く思ってる)ことやと思うんやけど。
でもそれは、どっちかというと自分の想いで+αでやってることで、会社が求めてるもの(目標数字を達成するだとか、いい人を採用するだとか)とは少しちがうなという違和感が、ずっとあって。
でも、正面から、相手の役に立てたかどうかをシンプルに問われると、じゃあ私はそこまで突き詰めて行動できてたか?って、ドキッとさせられる。
逆に、私のために時間を割いてもらったことに対して、ちゃんとそれだけの材料を用意できてたか?って、ドキドキッとさせられる。(もちろん、私にとっては役に立つもなにも、勉強になることばかりやし。)
相手の役に立てたか?
うん、こういう価値観は、すごいしっくりくる。だからよけいに、中途ハンパにならへんように、もうちょっとまわりへの言動の軸をココに向けて意識してみよかなって思う。このごろ。。
※にしても、ちょっとした個人的な相談にも話ききながらフローチャートでサクサク整理してもらえる環境は、ゼイタクっていうか、なんていうか。
モチベーション再考
昨日の夜からおかしな風が吹きすさんでたのが、とうとう雨までまじってきた。
やだなー。せっかく、朝からハリキッテうごくつもりが、いっきにテンションダウン。
しょうがないので、いまのうちにブログでも書いとこ。
先週末から、ダニエル・ピンクさんの本を3冊まとめ読み。っていうか、流し読み。
『モチベーション3.0』って本が少し前にバカ売れして、正直なとこ、「いまさら」感たっぷりの話っぽくて、読むのをさけてました。じつは。
(あと、訳者が大前研一さんってのも、そっちのインパクトのほうがどうも強すぎて…。表紙の名前も、訳者の方がフォント大きいって、どうなん?どうも、勝間和代さんといい、本の主旨とはちょっとズレた方向に訳本の帯が強調されすぎるんは、すごくモッタイナイ気がする。著者にとっても、読者にとっても。ま、べつにいいけど。)
でも、少しまえにAPO研で「組織との距離感」を考えさせられたのをきっかけに、なんとなく手をだした『フリーエージェント社会の到来』が思ってたよりオモシロく(失礼な読者やなぁ)、『ハイ・コンセプト』も気になって読んでみて、そのままの勢いで『モチベーション3.0』にまで一気に手を伸ばしたんでした。
(とかいいつつ、『モチベーション3.0』はAmazonの中古でさえやっぱり自分で買うだけのモチベーションがなく、会社に転がってたんを持ち帰り。)
フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか
- 作者: ダニエルピンク,Daniel H. Pink,池村千秋
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- 作者: ダニエル・ピンク,大前研一
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モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
- 作者: ダニエル・ピンク,大前研一
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ていう、ココまで前置き。(いつもながら、な、ながい…。)
以下、だらだらと感想。
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■『フリーエージェント社会の到来』
気になったキーワードは、4つ。
◆「自分らしさ」
情熱をかたむけて仕事に打ち込むことを通じて、自分らしさを表現しようとしている。〜〜フリーエージェントの労働倫理では、自己表現が許されているーーというより、ときには自己表現が求められるのだ。(P.80)
◆「自分サイズの服」
自分にとっていいことこそ、いいことなのだ。〜〜自由、自分らしさ、名誉、やり甲斐など、「自分サイズの服」の基準で成功を目指す時代になったのだ。(P.91)
◆「フリーエージェントのOS」
フリーエージェントのOSの基本となる構成要素は、信頼である。〜〜本物の信頼は、互恵主義を基本的な特徴としている。(P.184-185)
◆「未来の管理職」
それでも生き残るごく一部の管理職は、ハリウッドの映画プロデューサーのようにプロジェクトの立ち上げから完了までを監督するプロジェクトマネジャーだ。その一番重要な役割は適材適所の人材を集めること。(P.373)
まず、この本が10年も前に書かれていた事実に、プチショック。
で、10年後のいまの日本はどうよ?って考えたときに、「うーむむ。」って思う。
さらに、じゃあ今後こういう社会が日本に根づいていくのか?って考えると、やっぱりそれでもまだまだごく一部の人に限られた世界な気がする。社会のシステムも、個人のマインドも。
じゃ、自分はどうやねん?って言われると、マインドはすっと入ってくる(むしろあたりまえな感覚な)んやけど、個人としての資質がきっとぜんぜんついてきてないんよね。
ようするに、中途ハンパ。フリーでやれるほどの専門性も、気概もないし。。
でも、ひとつ言えるとしたら。
組織や職場の内と外をつなぎながら、テーマによってプロジェクト的に仕事を進めさせてもらえる環境には、いままでもいまも、恵まれてる気がする。ハコはあくまでハコとして、そこに縛られなくてすむ空間が、ちゃんとある(もしくは創りだしてる)んかも。
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■『ハイ・コンセプト』
同じく、気になったフレーズをいくつか。
◆「境界を超えられる人」「発明できる人」「比喩を作れる人」(P.212)
◆「むしろ人生とは迷路の上を歩くのに似ている。そこでは旅すること自体が、目的なのだ。」(P.336)
◆「アートとハートの時代での幸運をお祈りします!」(P.349)
なんか、読者に対して挑戦的っていうか、「じゃ、先いっとくから!」的な、明るい突き放しっていうか。。
うーん、そんでもってコレも、数年前に書かれた本なんよね。。
「先が見えない時代」とか「イノベーション」とか、日本でアレコレ騒ぎだしたのって、個人の感覚的にはリーマンショック後な気がしていて。でも、「イノベーション人材」ってなんですか?ってことまで、掘り下げての議論は、どこまでできてるんやろうってギモンがのこる。どうしたらそういう人を発掘したり育てたりできるのか?ってことは、さらにまだまだで。
ここ1・2年で、とうとう本気で「グローバル化」を考えないと生き残れない危機感が出てきてはじめて、日本の企業がやっと焦り始めたっていう段階な気がする。(「ダイバーシティ」も、女性活躍推進だとかお茶を濁してるバアイじゃない段階に、よくもわるくも追い詰められてきた段階な気がする。)
あ、しまった、話がそれた。
なにがオモシロいって、著者自身が「フリーエージェント」でもあり「ハイ・コンセプト」「ハイ・タッチ」を地でいってることなんかなと。
3冊続けざまに読んでみて、「な、ナニモノ?」っていうくらい、違ったテーマを独自の視点で読者に投げかけてる。(もう1冊読んでない本、『ジョニー・ブンコの冒険』も、かなりぶっ飛んだアプローチっぽくて、その観点がキニナル。ココからなにか示唆を得ようとかいうより、この人の感性をかいま見るには、覗いてみてもいいんかも。Amazonのレビューが、かなり笑えるし。)
ジョニー・ブンコの冒険 デキるやつに生まれかわる6つのレッスン
- 作者: ダニエル・ピンク,ロブ・テン・パ(マンガ),岩木貴子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/03/24
- メディア: 単行本
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■『モチベーション3.0』
そう考えると、『モチベーション3.0』も、訳者まえがきで書かれているように、
問題は、学問の世界では立証されている簡単なことが、経営の世界ではほとんど活かされていないことだ。
とすると、バカ売れしたことそのものが、著者の意図や目的を果たしているんだろうし、〈モチベーション3.0のOSに移行する〉プロセスを正しく踏むというメッセージが、経営の世界に少しは活かされるきっかけになるのかもしれないし。
それより以前に、人や組織に関わる立場の人(私含めて)が、そういう状態をまず自覚するきっかけになる気がする。
とにかく、まとめ&流し読み効果があったシリーズ(?)でした。
(って書いてるうちに、すんごい風はどっかいってるしー。)
あ、それと。「モチベーション」を学問の裏付けから経営に落としこむためのアプローチができるっていう、いまの仕事の意味合いと自分の「モチベーション」を再確認できたんは、よかった。